文/紫貴あき
14 the glass of wine
「Decoy Cabernet Sauvignon」
「オオタニウレ」という言葉が世間を賑わしています。「オオタニ」といえば、もちろんあのドジャーズのスーパースター、大谷翔平選手のこと。彼がつけている腕時計から宣伝する化粧品まで、すべてが秒速で売り切れ!最近は、その家族を含むプライベートまでが注目されているのです。
スーパー犬デコピン
「デコピン」と聞いて、「ああ、指でおでこをはじくあの罰ゲームね!」と思った方…… 残念、今やそれは違います。デコピンは、世界で一番有名な犬……… そう、大谷翔平選手の愛犬なのです。犬種はコーイケルホンディエ。ちょっと舌を噛みそうな、日本では珍しい犬種ですが、大谷選手の家族に迎えられた途端、ブリーダーへの問い合わせが殺到。どうやら「デコピン欲しい」という声が止まらないようです。
最近では、デコピンが始球式に登場して大注目。ピッチャーマウンドから、大谷選手の合図とともに、ボールを咥えて走ってくる姿は、愛らしく世界中を釘づけにしました。「うちの犬にも始球式をやらせてみよう」と、デコピンの芸を教えこもうとする飼い主も増えているのは微笑ましいことです。大谷選手の影響力が、彼のフィールド外でも広がり続けていることがよく分かります。
デコピンもワインがお好き!?
さあ、スーパー犬デコピンが愛してやまない「ワイン」があると聞いたら、誰だって飲んでみたくなる……… かも? でも、ご安心しください。その「愛するワイン」とは、実は「ワインの形をしたおもちゃ」なんです。 2024年4月、大谷選手のSNSに投稿された1枚の写真に、デコピンが誇らしげにワインボトル型のおもちゃを咥えている姿が登場。世の中には、ワイン型の犬用おもちゃがいくつかありますが、大体は冗談グッズ。しかし、よーく見てみると、なんとラベルには「Decoy Cabernet Sauvignon デコイ・カベルネ・ソーヴィニヨン」の文字が! これは、ただのおもちゃじゃなくて、本物のワインをそのままミニチュア化したものだったのです。デコピンもこの渋みの効いたおもちゃに首ったけなのです。
大谷翔平Instagramより https://www.instagram.com/shoheiohtani/reels/ (編集部)
デコピン愛飲(!?)のワインの正体
このワインは、もともと「ダックホーン・ヴィンヤーズ」というワイナリーが手がけたブランドです。ダックホーンは、カリフォルニアのナパ・ヴァレーにあるワイナリーで、特にメルロの名手として知られています。中でも「スリー・パームス」というシリーズはアイコン的な存在で、その品質はお墨付きです。実際、2009年のオバマ大統領の就任式で、ダックホーンのワインが提供されたほどなのですから。
「デコイ」は、ダックホーンのブランドの中でも、手軽に楽しめるエントリーレベルのシリーズとして1985年にスタートしました。比較的お手頃な価格で、ちょっとしたシチュエーションで楽しめるのが特徴です。特にカベルネ・ソーヴィニヨンやシャルドネが人気です。
デコイ カベルネ・ソーヴィニヨン 2021/デコイ
Decoy Cabernet Sauvignon/Decoy (Duckhorn Portfolio)
産地/カリフォルニア AVAカリフォルニア
品種/カベルネ・ソーヴィニヨン90%、メルロー10%
希望小売価格/2,900円(税別)
凝縮した第一印象。柔らかくなったカシス、ボイセンベリーの香りがふわりとグラスから立ち上がります。かすかに香るミントがワインに深みを与えています。柔らかい飲み口、穏やかな酸味、滑らかなタンニンのバランスが非常に良い1本です。
https://nakagawa-wine.coproduct/decoy_cabernet_sauvignon_2021/
あなたも大谷ファミリーに
SNSの反応は多種多様。「え、デコイってワインあったんだ!?」とか、「大谷犬が飲む(?)ワインなら、俺も飲んでみたい」という声が続々。そして、「アメリカのスーパーで20ドルくらいで売ってるよ」「意外と庶民的で親近感湧く!」なんてコメントも。
仲間との集まりで、「実はこのワイン、大谷翔平選手の愛犬デコピンにゆかりがあるんだよ」と話せば、一気に盛り上がること間違いないでしょう。高級な「オオタニウレ」は無理でも、このワインなら気軽に大谷ファミリーの一員気分が味わえそうです。
追い風に乗る
2024年10月8日、「デコイ」と「ダックホーン・ヴィンヤード」を擁する「ダックホーン・ポートフォリオ」が、ロサンゼルスのバタフライ・エクイティに19.5億ドルで買収されることが決定しました。バタフライ・エクイティが今後、どのような成長戦略を打ち出すのか、業界の注目を集めています。ワインとビジネスは風向き次第でどう転ぶか分からないもの。ここは「オオタニウレ」の追い風に乗って、成功を祈りたいところです!