ワインに合う簡単レシピ Vol.35
レシピ・写真/後藤 初美
大寒は一年のうちで最も寒い時期です。
寒い時期には冷え対策がとても大事。
食べるもの、飲むものも体を冷やすものよりは温めてくれる食材を摂る方が良いのです。
そんなことを考えながら、赤ワインを選んでいて目に留まったのがこちら。
アルゼンチンのマルベック&シラー。
太陽、山、水、蜂、木の葉の木版画のようなエチケット。
マルベック&シラーときたらずっしり重めのワインという印象ですが
ナチュラルなイラストが訴えかけてくるように
直感的に、優しいタンニンではないかな?と思い、とりあえずジャケ買いしてみました。
いつも料理を決めてワインを選ぶのですが今回は先にワイン決定!
ボデガス エスメラルダ/ティリア マルベック シラー 2022
産地:アルゼンチン/メンドーサ
品種:マルベック60%、シラー40%
希望小売価格:1,770円(税抜)
色はやや赤みのある紫ですが、インクのような濃さではなく粘性も少なめ。
渋いタンニンがたっぷりのタイプとは少し違うようです。
香りは黒い果実、コーヒー、カカオやシナモンのようなやや甘いスパイス。
飲んで見たら、ガツンとくるタンニンではなく、若干柔らかめ。
そしてほんのりと草のニュアンスも。
これはワインだけでも飲めそう!
このワインの名前になっているTILIAティリアとは菩提樹のこと。
ぶどう栽培に従事する農夫たちが休息をとり語らうのはこの木陰なのだそうです。
なんともほのぼのとした光景が目に浮かびます。
さて、ワインに合わせるのは、骨つき仔羊のロース。
仔羊は体を温める力がありとにかく寒い時期にはおすすめの食材です。
脂肪燃焼効果もあるようですが、それにはかなりの量を食べないと!(笑)
仔羊にはトマトとオリーブに隠し味の味噌を加えたソースを合わせます。
ソースのポイントはしっかりとトマトを焼き付けること。
付け合わせには、青々しい菜花のソテーとひよこ豆のスパイス和え。
菜花は蕾の開いていないものを選んでくださいね。
春直前の寒さへのエネルギーをいただく一皿に仕立てました。
優しいスパイシーワインとともに寒い冬をあと少し乗り切っていきましょう。
仔羊のソテー、味噌風味トマトとオリーブのソース
春を待つ菜花とスパイシーひよこ豆を添えて
材料(二皿分)
仔羊骨つきロース 4本 (量はお好みで!)
ハーブソルト 小さじ1/4
(塩とパセリ、オレガノ、タイムなどドライハーブを1対1で混ぜる)
黒胡椒、シナモン 各少々 (こちらは焼いた後に振りかけます)
ソース
ミニトマト 4個
黒オリーブ(種ぬき) 2個 (なければ緑でもOK)
りんご酢 30ml
赤ワイン 50ml
味噌(天然醸造) 小さじ1/4
バター 3g
パセリ 1本 (葉をみじん切り)
付け合わせ
菜花 4本
ソテー用バター 3g
オリーブオイル 5ml
ひよこ豆(蒸したもの) 40g
カレーパウダー 小さじ1/4
トレヴィス、レタスなど葉物 適量
【作り方】
①手鍋にお湯を沸かし、洗った菜花を茎から入れてさっと湯がく。水分をきっておく。ひよこ豆を熱湯に2分ほどつけて薄皮をとり、軽く潰してカレーパウダーと混ぜる。
②仔羊は骨と肉の間に火が通りやすくなるよう包丁を入れる。ハーブソルトをまぶしておく。
③フライパンにバターとオリーブオイルを熱して、茹でた菜花を両面こんがりと焼き付ける。器にとりおく。
同じフライパンを弱火にして、仔羊の脂身の部分から焼いて行く。こんがりと焼けたら反対の部分、肉の部分の両面の順番に焼く。黒こしょうとシナモンをふりかけて、アルミホイルに包んで保温しておく。
④ソースの材料をみじん切りにする。フライパンの油脂を軽く拭き取る。バター3gを熱してミニトマトがピューレ状になるまでソテーし、オリーブも加える。りんご酢を加え一煮立ちしたら赤ワインを足す。味噌を加えて軽くとろみがついたら火からおろす。
器にソテーした菜花、仔羊、トレヴィスかレタスにのせたひよこ豆をもりつける。ソースをかけてパセリのみじん切りをふりかける。
※中医学では、仔羊肉は気を補い、足腰の冷えや体力回復に効くと言われています。
※味噌は天然醸造をおすすめします。
※りんご酢はりんご果汁100%のもの(砂糖、甘味料不使用)をおすすめします。