ワインに合う簡単レシピ Vol.55
レシピ・写真/後藤 初美
短い秋があっという間に終わり冬の気配が足早にやってきましたね。
気温の低下とともに家庭でのワイン事情も変わり赤ワイン率が徐々に上がってきています。
そんなある日に訪れたのは、カウンターでワインとおつまみのペアリングセットが味わえるお店。
20種のラインナップから選んだ魚介のおつまみに効果的に使われていたのがピンクペッパー!
いつもの料理の彩りを華やかにする役目ではなく、味と香りの主張がある。
そう感じたのがその日の大収穫でした。
善は急げ、でミートソースと合わせたのが今回のおつまみです。
簡単で、日持ちがよくて、常備菜のベースになる我が家の定番が一歩グレードアップ。
何しろ、キッチンで作りながらちょっとパンにのせて味見しつつワインも開けてしまおう、という気軽さなのでワインも自然とカジュアルな赤ワインに向かいます。
イタリア、シチリアのネロ・ダーヴォラ。たまたまですが、オーガニックそしてヴィーガン認定。
香りはベリー系の赤いフルーツ、すみれの花に黒胡椒などのスパイスが混じりますが濃厚というよりはすっきりした印象。しっかり目のタンニンとフルーティさが重なり合い、赤身のお肉やトマトベースの料理とは相性が良さそうです。
ワイン名のコルパッソは、「丘の上への一歩」という意味で、伝統と革新とオーガニックをワインで表現し土着品種の魅力を伝えたいという生産者の想いが込められています。
料理のポイントは、最後にたっぷりとのせる「つぶしたor刻んだ」ピンクペッパー。
つぶすことでふわりと甘くスパイシーな香りが立ち、ミートソースを軽やかに仕上げてくれる素晴らしいバイプレイヤーといったところでしょうか。
ちなみにペッパーと呼ばれていますが胡椒ではなく、ウルシ科コショウボクの実です。
材料の一つ生ハムも添加物ゼロ、豚肉と塩だけで作られたフランス産をチョイスしました。
アペロに、夕食のスタートに、ぜひお試しください。
コルパッソ オーガニック ネロダーヴォラ シチリア
産地:イタリア/シチリア
品種:ネロダヴォラ100
参考価格:1,980円(税込)
ピンクペッパーが甘く香るミートソースのカナッペ
材料 2人分
牛赤身ひき肉 200g
塩 2g
生ハム 20g (ごく薄切り2枚)
トマトペースト濃縮タイプ 3g
赤ワイン 50ml
ピンクペッパー(ポワブルローゼ) 1g (小さじ1)
パセリ 少量
【作り方】
①生ハムを7-8mm角にみじん切りする。パセリもみじん切りする。ピンクペッパーは手でつぶすか、包丁で散らさないように刻む。(香りが出てきます。)
③鍋に、ひき肉が鍋肌に付かない程度の極少量のオリーブオイルを入れて加熱し、牛ひき肉を一度に入れる。塩の半分を加えて混ぜながら火を通す。生ハム、トマトペーストを加えてよく混ぜる。肉の色が変わったら赤ワインを加える。
④味見して残りの塩を加える。水分が小さじ1ぐらいになるまで弱火で煮詰めて火を止める。
⑤薄切りにしたパンまたはクラッカーなどにのせて、刻んだピンクペッパーをたっぷりと、パセリのみじん切り少々をあしらう。
※味の決め手はピンクペッパーです。丸ごとではなく必ず潰して使ってください。
※ペーストよりゆるめのトマトピューレを使う場合はあらかじめフライパンで数分煮詰めると美味しいです。
※牛ひき肉は脂の少ない赤身をおすすめします。脂多めの場合はオリーブオイル不要です。
※水分の出る食材を含まないので冷蔵庫で1週間程度日持ちします。