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GOURMET

「SPICE LAB TOKYO」の第二章幕開け 新メニューは日本食材をふんだんに使った 日印融合のモダンインディア

文/山田 靖

さらに進化・深化した「モダンインディアンキュイジーヌ」にリニューアル

インド料理というと何を思い浮かべるだろう? CMで「インド人もびっくり!」というフレーズが大流行した「カレー」……はさすがに昭和すぎか! 西新宿にあった「ボンベイ」や赤坂「モティ」を真っ先に思い浮かべるあなたは年齢高め、八重洲にあった「ダバインディア」をイメージした方は中年層でしょうか。でもどのお店もインド料理を日本に根付かせてくれた有名店であることに間違いはない。そして、2019年に新たなインド料理の扉を開いたのは銀座にオープンした「SPICE LAB TOKYO(スパイスラボトーキョー)」。料理のクオリティはもちろんスパイスの洗練された使い方など、まさにインド料理の概念を覆す新感覚の「モダンインディアンキュイジーヌ」レストランとしてエポックメイクな登場でした。筆者もオープン当時に伺った時はスパイスの繊細な使い方に感動すら覚えた、未知の「モダンインド料理」との出合いでした。

そして、2024年8月、「SPICE LAB TOKYO」は新メニューを加えてリニューアルし、よりパワーアップしたお料理の数々が登場している。先日伺ったところ、どのお料理も日本の食材にインド料理の技法を使いながらスパイスをアクセントにしていた。個人的には、斬新という奇をてらった感じではなく、見た目、味覚や食感の驚きはあるものの、食べたとき食材へのリスペクトを感じる安心感が口中を満たしてくれた。この日にいただいたお料理は9品で構成されたコース。フィンガーフード5品で構成されたアペタイザーズ、甲殻類、魚介、サーロインの日本の食材とスパイスを使ったモダンインディア。サモサやドーサなど豆や粉物のテクスチャーもよかった。ペアリングで提供されたのはインド、日本のワインや日本酒と、ソムリエのセンスの良さも感じられた。インドのワインも今後充実させていきたいとのことで、こちらも期待したい。

マンゴーとスパイスチャート マンゴーとスパイスを使ったインドのスナック

トウモロコシとバターミルク ガンドヴィのスープ トウモロコシとカンドヴィというひよこ豆をパスタ状のようなものが入ったお皿が登場し、その場でバターミルクのスープを注ぎます。スパイスの味わいが重層的で美味。

5種のインディアンアペタイザー メニューとは別に食べる順序や料理内容を記したいわばガイドも用意されていたスペシャリテの一つ。それぞれはインドのストリートフード代表格とのこと。

ズワイガニのドーサと海老のギーロースト ドーサの中にはズワイガニの身。海老はエゴマの葉にキャビアが。スパイスも効いてます。

白身魚のソテーとマチェジョール 魚の出汁を意味するマチャジョール。今回はハタを使い、スパイスの効いた滋味深いソースが合います。プーリーとは小麦粉を平たく伸ばし、それを揚げた「揚げパン」のこと。

コサンバリ・サラダ ココナッツのソルベがかかったサラダ。グラニテ的一品

タンドールで焼いたサーロイン

ダルカレー、ナン

オックステールのハイダラバーディー・ビリヤニ 蓋を切り開け、炊き上がったバスマティライスの姿に盛り上がること確実コショウとクミンがブレンドされたヨーグルトソースを絡めるとこれまた美味。

今回ペアリングされたのは、画像右から、R.M.シャンパーニュ、クリスチャン・ブルモー。インドワインのグローバー・ザンパ ヴィジャイ アムリットラージ ホワイト(ヴィオニエ)。カーヴ ドッチ ピノ・ノワール2022。日本酒 日日酒造 nichinichi。

猛暑も一段落してきたが、スパイスは身体を整える調味料。そんな身体にも五感にも響いてくるリニューアルした「SPICE LAB TOKYO」のお料理であった。

シェフのテジャス・ソヴァニ インド出身。ラグジュアリーリゾート「オベロイ」グループでヘッドシェフを務め、コペンハーゲン「noma」で修行を積んだ新進気鋭のインド人シェフ。

THE GREY ROOM(グレイルーム)


また、同じビルの11階にはバー「THE GREY ROOM(グレイルーム)」がある。ここは姉妹店で、ウェイティングにもアフターバーにも、もちろん主役使いでも。「SPICE LAB TOKYO」のストリートフードやベジタブルビリヤニなど一部メニューをバーバイトとしてこのお店でもオーダーできるなど、かなり使い勝手がいいお店だ。そしてもう一つものオススメポイントは、このバーのテラスからのベストビュー。隠れ家的なモダンな雰囲気から銀座の眺め、そして寄り添うお酒、お料理とこちらもぜひ体験してほしい、本当は教えたくないと思ってしまうようなお店との出合いでした。

SPICE LAB TOKYO(スパイスラボ)
住所/東京都中央区銀座6-4-3 GICROS GINZA GEMS 10F
TEL/03-6274-6821
営業時間/ランチ 11:30〜15:00(L.O.13:30) ディナー17:30〜22:30(L.O.20:30)
定休日/月曜日(月曜が祝日の場合は営業、翌火曜休)

ランチメニュー
ショートランチコース(4品 4,000円)※平日限定(火〜金)
シグネチャーランチコース(5品 6,500円)
シェフズランチコース(7品 9,000円)
※それぞれベジタリアンコースを同額で用意(シェフズランチコースを除く)
ディナーメニュー
シグネチャーコース(8品 13,000円)※ベジタリアンコースも有
シェフズコース(9品 16,000円)
シェフズコース(ベジタリアン 9品 14,000円)

https://spicelabtokyo.com

THE GREY ROOM
TEL/03-6274-6023
営業時間/火曜日~木曜日 15:00 ~ 24:00(23:00 LO)
金曜日~日曜日 11:30 – 24:00(23:00 LO)
※アフタヌーンティーは16:30最終入店。要予約
定休日/月曜日(月が祝日の場合は営業し、火曜休)

https://thegreyroomtokyo.com/

コラボレーションイベント開催

2015年から連続して「アジアのベストレストラン50」に名を連ね、2024年には26位にランクインする「Indian Accent(インディアンアクセント)」のシェフを務めるシャンタヌ・メヘロトラ氏は世界中の食材と技法を用い、古き良き伝統的なインド料理を融合させた独創的な一皿を造り上げる“モダンインディアンキュイジーヌ”の旗手。その彼とテジャス・ソヴァニというモダンインディア料理を牽引する2人のシェフによる、スパイスと美食のコースを2024年9月27日(金)〜29日(日)の三日間コラボレーションイベント開催される。

シャンタヌ・メヘロトラ氏
「インディアンアクセント」ニューデリーおよびニューヨークのエグゼクティブシェフ。Conde Nast Traveller(高所得者を読者に持つ米国大手旅行誌)によってインドで1位のレストランに選ばれ、2015年から「アジアのベストレストラン50」に10年連続して名を連ねる。2019年には「世界のベストレストラン50」にインドで唯一ランクインし、世界中から注目を集めている。

会場/SPICE LAB TOKYO
開催日/2024年9月27日(金)〜29日(日)の三日間
時間/ランチ:12:00~ ディナー:17:30、20:00の2回
メニュー/17,000円(9品)※ベジタリアン対応可能
     アルコールペアリング9,000円 ノンアルコールペアリング6,000円

予約は下記サイトより(外部サイト)

ランチ12:00〜:https://x.gd/ekR3S

ディナー17:30〜:https://x.gd/zBUeU

ディナー20:00〜:https://x.gd/LGLYV

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山田_yamada 靖_yasushi

Why not?マガジン編集長。長くオールドメディアで編集を担当して得たものをデジタルメディアで形造りたい。座右の銘は「立って半畳、寝て一畳」。猫馬鹿。年一でインドネシア・バリのバカンスはもはやルーティン。

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