文/山田 靖
7月25日、100年に一度といわれている東京・渋谷の大規模再開発の1つ「Shibuya Sakura Stage」がOPEN GATEとなる。このSakura Stageは、「渋谷・桜丘町」と称される旧町名大和田町を町域に含む、渋谷の南に位置する。筆者は知り合いのデザイナーがこの近辺に事務所を構えていたこともあり、よく通った場所でもある。ただ、桜丘町は春の桜シーズンはその名の通り名所であるものの、渋谷のJRの線路と国道246号によって分断されたが故? 喧噪とはかけ離れ、そのイメージは「新橋的なオヤジの飲み屋」「古い個人住宅」「なんだか暗い」「ここは渋谷?」……という渋谷とは全くの異空間。それでいて場所は渋谷、代官山、恵比寿から徒歩圏内と、立地はいいのである。だから、クリエイティブ系の事務所やよくわからないおしゃれ“そうな”お店があったりしたわけだ。それでもなんだかどんよりした町、というのがあくまでも個人的かつ独断イメージ。
それが、数年前から一気に古い建物が取り壊され、高い工事壁で桜丘町は囲まれた。そして、ついにその全貌が2024年お目見えした。町は大きく「A街区:SHIBUYAサイド」「B街区:SAKURAサイド」「C街区」に分かれている。A街区のSHIBUYAサイドが「Shibuya Sakura Stage」であり、今回はここの内覧会が開催されたので紹介しよう。
シン「新南口」が開通することで桜丘町と渋谷の分断解消
恵比寿よりにあった新南口を閉鎖して、「渋谷ストリーム」との連絡口に「JR新南口」を移転。諸説はあるが利便性の向上をはかった移転である。この改札口によって、これまで分断されていた桜丘町方面と渋谷は大きく繋がることになった。また、西地下歩道も開通している。
明治通り側とも新しい新南口が繋げてくれ
37テナントがオープンする「Shibuya Sakura Stage」
Sakura Stageはカルチャーとフードが交わる新しい情報発信ベースを目指して各階が構成されている。
4階を「サクヨン」と銘打って「TSUTAYA BOOKSTORE」と「SHARE LOUNGE」がオープン。存在自体は渋谷でもすでにあるので、これといった目新しさはないが、おもしろそうなのは「404 Not Found」。クリエイターのための拠点として、クリエイターがさまざまな企画イベントを開催できる場所となっている。約150平方メートルのフロアに物販、カフェ、キッチン&レストランスペース、配信スタジオが完備され、ノージャンルに創作活動を支援する。
また、同じ4階には「FOOD MET(フードメット)」として17の食のお店がオープン。
3階には、メイクブランド「KATE」初の旗艦店やゲーム実況集団「高田村」初の公式ショップがオープン。期間限定ではあるがサンリオキャラクターのPOP-UPショップ「Sanrio」もオープンする。
2階は「東急ストア 渋谷サクラステージ店」がオープンし、地域の食を担う。桜丘エリアの居住人口は約7,000人で若年単身層が多く、昼間人口は26,000人、このサクラステージには10,000人が就業するという数字から、即食を中心に食べきりを想定した少量サイズやご褒美スイーツ、惣菜を豊富に揃えている。そして、冷凍食品の売り場も系列の東急ストアのなかではダントツに拡充され、いわゆるレンジアップ食品のバラエティさも注目だ。またお酒売り場をのぞくとスーパーの品揃えとしては珍しく「オーガニックセレクション」が豊富、「渋谷ワイナリー」で醸造されたご当地ワインやクラフトビール「コエドブルワリー 渋生」も揃えて、いまの若者の好みに応える品揃えにしているのがよく分かる。渋谷といえば東急であるが、こと「東急ストア」の本格的な出店は久しぶりであるので、面目躍如を期待したい。
内覧会で館内や外周を見て回った。みごとに変貌した桜丘町、という印象に尽きる。A街区やB街区を繋ぐ道やその周辺の雰囲気は、以前の静寂性もいい意味で健在だ。無闇矢鱈にカルチャーやフードを押しつけているわけではなく、バランスがいいのではないだろうか?
7月25日~8月11日まで「OPEN THE GATE」~めぐり歩いて、楽しいまち~というさまざまなイベントも開催される。訪れてみてはいかがでしょう?
「OPEN THE GATE」~めぐり歩いて、楽しいまち~詳細はココをタップ(外部サイト)
Shibuya Sakura Stage(渋谷サクラステージ)
東京都主部約桜丘町1-1他
JR新南口直結