WOSA(Wines of South Africa)主催のベンチマーク・テイスティング
文・写真/島 悠里
Attended the benchmark tasting and seminar organized by WOSA Japan.
南アフリカのワイン、飲んだことありますか? 南アは、品質に比べて価格が抑えられたコスパがよいワインが多いと皆さん言いますが、南アには、その一言で一括りにできない、たくさんの造り手のストーリーと多様なワイン産地があります。
2017年に南アフリカのワイン産地を周ったとき、ワインの多様性、造り手たちの情熱、食事の美味しさ、景観の美しさに触れ、感動して以来、機会があれば試しています。
そんな一押しの南アワイン。10月に東京で開催された、WOSA(Wines of South Africa)主催のベンチマーク・テイスティングに参加し、また新たなワインに出会うことができました。
セミナーでは、岩田渉ソムリエが、「ABC(=Anything but Cabernet and Chenin Blanc カベルネとシュナン・ブラン以外」をテーマに、南アのブドウ品種の多様なスタイルを解説。今回は、その中の1本をご紹介します。(他のワインは下に記載)
Boekenhoutskloof Semillon Old Vine 2020(7,200円、輸入元:マスダ)
1902年と1942年に植えられた古木のセミヨンから造る白ワイン。
岩田ソムリエのコメント: 複雑で多層的な香り。みかん、パイナップル、杏などの熟した果実に、レモンバーベナやお花、バニラビーンズなど甘いスパイス。木樽のニュアンスが上品に溶け込む。セミヨンらしいワックスや羊毛クリームのようなテクスチャ。余韻は長く、グレープフルーツの白い皮のような軽やかな柑橘と心地よい苦味を感じる。
Boekenhoutskloof Semillon Old Vine 2020
わたしが現地で飲んで心動かされたのも、古木のセミヨンのワインでした。南アでは、セミヨン100%で、この品種の奥深さと複雑性を表現した、類まれなスタイルのワインが造られています。
そして、古木は南アのワインを語る上でのキーワードでもあります。栽培家ロサ・クルーガーさんによる「Old Vines Project」の活動にみられるように、世界をリードしたブドウの古木の研究が行われていて、古木を大事にしているのです。
南アの古木から造られたワイン、要注目です!
Old Vines Project(古木プロジェクト)のロサ・クルーガー(Rosa Kruger)さんと古木の畑にて
【岩田ソムリエがセミナーに選んだワイン】
Swartberg Wingerde Holism Palomino 2021(4,800円、輸入元:アークセラーズ)
Boekenhoutskloof Semillon Old Vine 2020(7,200円、輸入元:マスダ)
Stark Conde The Field Blend 2020(3,300円、輸入元:モトックス)
Natte Valleij Coastal Cinsault 2020(3,200円、輸入元:Humming Bird)
Momento Grenache Noir 2021(5,500円、輸入元:ラフィネ)
Longridge Pinotage 2019(3,500円、輸入元:マスダ)