文・写真/島 悠里
My wine journey by Yuri Shima ~世界のワイン便り Vol.13
ワインを選ぶとき、皆さんはどのように選んでいますか。専門家のレビューや点数を参考にしたり、ワインの記事を読んだり、ラベルデザインや直感で選んだりと、人それぞれに何かきっかけがあるのではないでしょうか。 信頼できるランキングも一つの手がかりになりますが、3月初旬、イギリスの飲料専門誌「ドリンクス・インターナショナル(Drinks International)」が、2025年版「世界で最も賞賛されるシャンパーニュ・ブランド」のランキングを発表しました。

出典:Drinks International
今回は、幾多のシャンパーニュのブランドからトップ40が選ばれ、そのなかで、見事、第1位に輝いたのは、ルイ・ロデレール(Louis Roederer)。過去に実施した12回のうち、7回目、そして6年連続の首位獲得という異例の結果を達成しました。継続的な進化や革新、細部へのこだわり、すべてのレンジで高品質であることなどが高く評価されています。
ルイ・ロデレールは、自社畑をオーガニック栽培に転換するなど畑にも力を入れ、2021年にはNV/MVのキュヴェを新しいコンセプトの「Collection」として刷新するなど、常に前進している、シャンパーニュを牽引する存在です。
第2位はクリュッグ(Krug)、第3位はボランジェ(Bollinger)、第4位はビルカール・サルモン(Billecart-Salmon)と、昨年から順位の変更はなく、第5位には、シャルル・エドシック(Charles Heidsieck)が前回より2つ順位を上げてランクイン。 そして、ポル・ロジェ(Pol Roger)が第6位に入り、名門メゾンが続きます。
このランキングは、世界の厳選されたワイン・プロフェッショナルたちによる投票で選ばれています。評価基準は、そのメゾンのシャンパーニュの品質と一貫性、ブランディングとマーケティング力、価格と品質のバランス、そのメゾンが賞賛・尊敬に値するか、競合のメゾンと比べたブランドの強さなど。
ドリンクス・インターナショナルは、選ばれた40ブランドはいずれも長年にわたり一貫した高品質のシャンパーニュを作り出していて、世界中で楽しまれているものだと言います。
ブドウ栽培は、結果が出てくるまで長い年月が必要なことに加え、シャンパーニュは特に、他の産地のワインに比べても規定の熟成期間が長く、いま仕込んでいるものが世に出てくるのは、少なくとも数年先。プレステージクラスになると、完成まで10年超の時間を必要とするものもあります。品質を保ち、時代の変化に合わせて革新を続け、トップブランドであり続けるには、将来を見据えた長期的な視点と投資が必要なのです。
こうしたランキングも、今後のシャンパーニュ選びの参考にしながら、ぜひ自分のお気に入りメゾンを探してみてください。また、興味のある人は、このランキングに関するフルレポートを読んでみると、最新のシャンパーニュ事情がわかるのでは。