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SPIRITS & LIQUEUR

「アードベッグ17年」が20年の歳月をかけ復活!9月25日限定発売!!

文/山田 靖

アードベギャン(世界中の熱狂的なアードベッグファン)にとってこれは歓喜乱舞のニュースだろう。2004年に販売終了した「アードベッグ17年」が今、アードベッグ最高蒸留・製造責任者ビル・ラムズデン博士の手によって復活することになったのだ。
ウイスキーラヴァーの舌と心を鷲づかみにしていたお酒が、なぜ一度販売終了となったのか。すこしアードベッグ蒸留所について解説しよう。
アードベック蒸留所はスコットランドの西部、ウイスキーの聖地“アイラ島”に、1815年に設立された。このアイラ島は全土の25%がピート湿原で占められており、そのピートを麦芽の乾燥に使うことでスモーキー、いわゆる「ピーティー」なウイスキーが出来上がる。特にアードベッグ蒸留所によるウイスキーは最もピーティーだと言われてきた。

※ピート湿原とは湿原はウイスキーづくりに水を育むよい土壌と言われている。また湿原に堆積した泥炭は「ピート」と呼ばれ、ウイスキーの原料である麦芽に香りづけをする大切な原料にもなる。

特にアードベッグは当時、ウイスキーの原料となる麦芽をポートエレンという精麦所から、スモーキーな香りの度合が最も高いものを買い付けていた。その後、木製の発酵槽で発酵させるが、その発酵槽には酵母や乳酸菌が住み着くため、アードベッグ蒸溜所独自の味わいになる。そう、先祖代々継ぎ足してきた秘伝の「アレ」だ。

しかし、アードベッグに栄枯盛衰が訪れる。1980年代のウイスキー不況のあおりを受け、生産を中止。その後買収され1990年代に生産を再開するものの、さまざまな要因もあり、本格的な体制作りはできていなかった。そこにホワイトナイト的に「グレンモーレンジィ社」が登場。
グレンモーレンジィ社のもとでアードベッグはシングルモルトウイスキー専用の蒸溜所として再びスタート。ここが橋頭堡、ルビコン川を渡る決断をして今にいたるわけだ。

アードベッグ最高蒸留・製造責任者ビル・ラムズデン博士

伝説と化していた「アードベッグ17年」が復活!

アードベッグ17年熟成はグレンモーレンジィ社買収後、蒸留所の操業再開後に初めてリリースされたのだが、なんと原酒が枯渇してしまい2004年に販売終了となったまさに伝説のウイスキーで、アードベギャンがもっとも心奪われたカルト的なウイスキーだった。しかし原酒がなくなってしまっては、供給することはもちろん不可能だ。
今回、限定発売になった「アードベッグ17年」の御披露目にアードベッグ最高蒸留・製造責任者ビル・ラムズデン博士も来日した。

「僅かにストックされていた原酒があり、これならば、もしかしたら復活させることができるのではないか」と、アードベッグ17年造りがスタート。往時と同じ40℃でボトリングをして古き佳きアードベッグ17年を彷彿させることに腐心してきた。そして20年という歳月をかけ、世に生み出されたわけだ。
私は今回初めて17年熟成をテイスティングさせてもらえた。実は個人的には強い「ピーティー」は苦手なのだが、このアードベッグ17年は爽やかで、ピーティーさはアクセント的に感じる程度。味わい深くとても美味しく、かつ複雑な香りとなっていた。ビル・ラムズデン博士の17年に対する愛情の深さも感じられる、素晴らしい1本だと思う。 販売は専用サイトでの抽選販売になるという。瞬殺間違いないだろう。


発売開始は2024年9月25日正午より下記サイトにて
https://www.ardbegjp.com/products/ardbeg-17yo
「アードベッグ17年」
希望小売価格/30,800円(税込)
容量/700ml

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