新宿御苑からほど近い花園通りに、花とアートに囲まれながらワインを楽しめるワインショップが誕生。角打ちスタイルでテイスティングも行っているので、ワインを買って帰るだけではなく、花を楽しみながら、アートを楽しみながら、同時にワインをグラスでテイスティングすることができる。いわばワインと花、アートが融合したお店である。
取材・文・写真/山本育子
この3つが融合したお店の誕生には、このお店の代表である藤木貴大さんの実体験が深く影響している。藤木氏はイタリアのミシュラン三つ星レストランOsteria Francescana、ミシュラン一つ星レストランRistorante TOKUYOSHI、東京のALTER EGOにて料理人として働いた経験を持ち、特にイタリアでの経験がこのお店の誕生に大きく影響している。
藤木貴大さん
例えば、ヨーロッパのレストランでは花を売りにくる人がいて、レストランで食事をしている客がその花を購入することはわりと見かける風景でもある。食事の際に飲んでいたワインの空きボトルに、購入した花を差して帰っていくなんてことも。また、ヨーロッパの星付きレストランはアートとの親和性が高い。つまり、ワインのある場所に花やアートがあるというのは藤木氏にとっては自然なことなのである。それを体現する空間として「AZALEA」が誕生した。テイスティングできるワインは常時7~8種類あり、アートを見ながらワインをテイスティングしたり、あるいはワインをテイスティングしながら花を選んだり、様々な使い方ができるお店である。また、テイスティングして気に入ったワインをボトルで購入することもでき、購入したワインはその場で開けて飲むこともできる。ちなみに、ありがたいことに抜栓料は取っていないそう。お子様や妊娠中の方など、アルコールを飲めない方には藤木氏の出身である佐賀県のみかんやいちごのジュースも用意がある。
販売しているワインは100種類程度で、イタリアの自然派のワインを中心にエチケットがかわいいワインや、日本にある食材などから連想しやすいフレーバー、例えばパイナップルやバラなど、を持つワインなどを藤木氏がセレクトしている。日本においては、ワインは敷居が高いと思っている人がまだまだ多いので、花を求めてこのお店に入った人に花の絵のエチケットのワインやフローラルの香りのワインを紹介することで、花だけでなくワインにも興味を持ってもらえるようにセレクトしているのだ。
「AZALEA」おすすめのワインとして、イタリア北部の白ワインを紹介していただいた。ぶどう品種はモスカート・ジャッロ(Moscato Giallo)。マスカットらしい華やかな香りが口いっぱいに広がるドライでスッキリとした味わいのワイン。これからの時季、ランチにも、テラス席や公園でのピクニックなど外で飲むのにもぴったりのワインだ。
花は生花とドライフラワーの両方を取り扱っており、それぞれ1本から購入可能。フラワーロス問題の取り組みにおける一貫として、元気がなくなってきた花はドライフラワーにしてブーケやアレンジメントにして販売もしている。ワイン好きの家族や恋人、友人にプレゼントを選ぶ際にワインと一緒にブーケをプレゼントしてみてはいかがだろうか?
アートの展示については、美術系の大学を卒業したスタッフがアーティストをセレクトしており、展示している作品を購入することもできる。また、店内でワークショップも開催しているので、気になる方は是非お店の公式インスタグラムで最新の情報をチェックしていただきたい。
これからの季節、新宿御苑ではバラや紫陽花など様々な花が開花し、見頃を迎えていく。新宿御苑で季節の花を楽しんだ後は、すぐ近くの「AZALEA」でワインを飲みながらアートを楽しみ、家に飾る花と供に楽しむワインを買って帰ってみてはいかがだろうか。
DATA
「AZALEA」
住所:東京都新宿区1丁目18-9 パディアイルカテリーナビル1F
営業時間:10:00~22:00(不定休)