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WINE

麻布台ヒルズの名店は、ライブラリアンの存在が光る 「intertWine K×M YAMAJIN(インタートワイン ケーエム 山仁)」

通を創る酒屋/通が通う酒屋

「ワインは、もっぱらネットショップで入手。店ごとに価格で比較し、最安の店で買う」「街のワインショップでは、『あの有名醸造家が手掛けたカジュアルワイン』『定価の30%OFF』といったPOP情報を頼りに購入」なんて買い方がルーティン化したワイン愛好家の皆さーん。それ、ワイン情報のインプット能力がよどみかけてませんか?? 「でも、いまさら自力でルーティンを打破できない……」と不安になったら、一人ひとりにフィットするワインを当人以上に把握してくれる「intertWine K×M YAMAJIN(インタートワイン ケーエム 山仁)」へ駆け込み、ワインの買い方を根本から見直してみては。

ワインショップでの対話ロス脱却へ

知識が増えるほど、飲む楽しみもぐーんと増えるのがワインの醍醐味。ブドウの品種名や世界中の産地を覚え、それぞれの特徴を掴んだところでワインボトルを眺めると、今まで意味不明な呪文でしかなかったラベルの文字が読み解けるようになる。さらに、ワイン本を一冊丸暗記するなり、スクールに通ってワインの資格を取得するなりすれば、自分ひとりでも店でワインを選びとれる自信がみなぎってくる。

スタッフに何も尋ねないまま、ワインラベルの情報やPOPの文面から見当をつけ買い物を済ませるのは、時と場合によってはベターな選択かもしれない。でも、麻布台ヒルズに今春オープンした「intertWine K×M YAMAJIN(インタートワイン ケーエム 山仁)」では、完全に事情が異なる。圧倒的な知識を誇るスタッフとの対話こそが、買い物の魅力を倍増させるのだ。

まず店名について簡単に説明しておくと、「K」は日本在住の日本人として唯一のマスター・オブ・ワインである大橋健一さんのイニシャルである。早くから自然派ワインに着目し、日本のワイン・シーンをリード……といった説明は今更すぎるので割愛。かたや「M」は、ワインのほか和酒にも造詣が深いワインテイスター、大越基裕さんを示す。とくに彼のペアリング理論構築はズバ抜けており、ペアリングのコンサルタントや飲食店のオーガナイザーとしても引く手あまただ。この大御所KとMがタッグを組んで創り出した店であるからして、スタッフだって只者ではない。

天井の高い店内には1072種のワインがギッシリかつスッキリ散りばめられ、また日本酒や焼酎も充実。常に国内外のワイン産地へ足を運びトレンドをいち早くつかむ大橋MWさんは、ときに隠れた銘醸ワインを掘り出し、自店で扱えるよう交渉する。おかげで、日本ではココでしか入手できないレアものも。

ライブラリアンに導かれ、ボトルの物語に触れる
店を訪問した際は、スタッフの胸元をチラ見してほしい(あ、勿論くれぐれもイヤらしくない目つきで!)。チェックすべきはブドウのバッジ……でなく、ショップのイメージ・カラーで染め抜かれたスカーフだ。スタッフ全員、もともと一流のレストランやショップで経験を積んできた精鋭たちではあるが、オリジナルのスカーフを着用できるのは、大橋さん&大越さんによる厳しい試験をクリアし「ライブラリアン」の称号を得た者だけなのである。

「インタートワイン ケーエム 山仁」支配人の佐藤雄介さん(左)と、ソムリエ・コンクール入賞経験を重ねワインスクール講師としても活躍する松木リエさん(右)。佐藤さんの胸ポケット、松木さんの襟元には「ライブラリアン」の証であるスカーフがヒラリ。


ライブラリアンとは、図書館司書を指す。受付カウンターで本の貸し出し手続きを担うのは、業務のごく一部。膨大な蔵書それぞれの内容を把握した上で、図書館利用者への読書案内、本探しの手伝いも行なう専門職である。翻って、膨大な酒瓶に囲まれるコチラのライブラリアンもしかり。産地の事情、造り手の哲学、味わいの特徴などボトル1本1本にまつわる情報をダイジェストながら響く言葉で伝え、客が欲するワインに素早く到達できるよう手助けをする。本に興味を持ってもらえるよう物語のさわりを紹介するように、飲んでみたい気持ちを“ワインの物語紹介”で盛り上げるのだ。

「自分好みのワイン像がまだ分からない」と悩むビギナーにも、「未知の味に挑戦したいけど、失敗は避けたい」「教科書的なワインの知識でなく、旬な情報で知的好奇心を満たしながら買い物できれば」と願う熟練の方々にも、ライブラリアンは圧倒的な知識と包容力で対応してくれるだろう。

ペアリング能力が上昇するカウンター利用はマスト!

ショップ来訪の予定を立てた際、即座に行うべきはコンポーネントペアリングカウンターの事前予約だ。6席分のみのカウンターでは、スタンディングスタイルでグラス1杯のワインとひと口サイズのフードがセット提供され、「なぜこのペアリングがこうも合うのか」をライブラリアンから易しく説明してもらえる。食材同士の組み合わせも絶妙で、ペアリングのヒントを確実に獲得できる最強スポットだ。

月替わりのセットメニューのなか、この日は「コンティノ/リオハ ロサード2018」+「パプリカ×ドライトマト×オリーブ×塩」(600円)をチョイス。「ワインと料理の“重さ”を合わせるのが重要です」といったペアリングのコツを、ライブラリアンが惜しみなく伝授してくれる。利用時間は1回30分以内と決まっているので、2~3セット楽しんでから買い物に向かうのがベター。(事前予約は公式LINEから受付)

とはいえ、ストイックにペアリングを追究するばかりではない。普段の食事、最近興味のあるワインなど、カウンター越しにライブラリアンと何気ないワイン雑談をするうち、自然と自分に適したワインの方向性を引き出してもらえる。テイスティングで緊張をほぐしつつ会話ができる仕組みは、入店していきなりスタッフに話しかけるのが苦手な人見知り屋さんには大助かり!

「オトクな店」の概念が変わる

並ぶワインはほぼほぼ定価で販売されているので「オトクな店だな」と感じる人は少ないかもしれない。でも、ワインは2000円台~、日本酒は1000円台~、とお手頃価格のボトルはきちんと揃っているし、なにしろライブラリアンとの対話がプライスレス。プロによって精査された情報の提供が加わるのだから、実際はとっても「オトクな店」である。

なお、カウンターで試食したフードの食材は、店内や同じ麻布台ヒルズの1階下にあるマーケットでほとんど購入可。自宅に帰ってからペアリングセットを再現し、ノウハウを自分のものにできるのもまた、大きなアドバンテージだ。

大橋さんの原点である酒屋「山仁」が栃木にあることから、随所に栃木ゆかりの素材が。メニューは栃木レザーを使用、ペアリングのフードは益子焼のうつわに盛られ、壁には大谷石……と栃木の名産品に触れられるのも、ライブラリアンたちのこだわりの賜物。

「intertWine K×M YAMAJIN(インタートワイン ケーエム 山仁)」
住所/東京都港区麻布台1-2-4麻布台ヒルズマーケット ガーデンプラザ C 1F
営業時間/11:00~20:00(コンポーネントペアリングカウンターL.O.19:30)
TEL/03-6277-8203

https://intertwine-km.jp

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