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WINE

南アフリカワインは旧世界と新世界のいいとこ取りの高品質で価格もリーズナブルと鬼に金棒なワイン。堪能できる試飲イベントも開催

3月13日、4月17日、6月20日、10月28日。さて、この日にちに共通するのはなにかお分かりでしょうか? 実はこれらは全て、ワインに関連する記念日なんです。ちなみに、順に「リースリングの日」「マルベックの日」「ワインの日」「シャンパンの日」。他にもワイン記念日は年間で20日以上制定されています。
そして今回紹介したいのは、新たに2月2日を記念日として制定されたワインのお話です。さて? この日は何のワインをお祝いする日でしょう? ヒントは最初の画像は人類起源の地ともいわれる場所のテーブルマウンテンです。

2月2日は南アフリカワインの日

南アフリカワインの日はなぜ? 2月2日に制定されたのか?? 
これを知るには南アフリカワインの歴史を旅するところから始めましょう。
南アフリカワインの歴史は、17世紀当時のオランダがアジアとの交易の中継地点としてアフリカ大陸の南、現在の南アフリカ共和国の南西に位置するケープタウンに港を開き、そこに移住した人達がヨーロッパから持参したブドウの苗木を植えたところから始まりました。正式には1665年に最初のブドウの苗木が植えられ、1659年2月2日に最初の南アフリカワインが誕生しています。初代ケープタウン総領事であるオランダ人のヤン・ファン・リーベックが、1659年2月2日の日誌に「ケープのブドウから初めてのワインが作られた」と記したことからこの日が「南アフリカワインの日」と制定されました。
その後、17世紀後半にはヨーロッパの宗教改革で迫害されたフランス人農民達(ユグノーと呼ばれた新教徒)が南アフリカに渡ってきて、ワインの生産は更に発展していきます。その後アパルトヘイト(人種隔離)政策を経て1990年代に入り、民主化と共に南アフリカワインは再び世界に広がっていきます。最近では日本でも多く(少なくとも600種類以上)の南アフリカワインが流通しています。

南アフリカワインの魅力は美味しさとコストパフォーマンス◎

南アフリカワインを解りやすく一文で表現すると、「フランスのクオリティ、イタリアの多様性、チリのコストパフォーマンス、その全てが南アフリカワインにはある」が適しているかもしれません。ワイン好きな人たちの中には、南アフリカほど魅力的なワイン生産国はないと言い切ってしまう人もいます。そして、実際飲んでみて南アフリカワインにハマるファンが最近増えているのもうなずける理由があって、南アフリカワインにはそれを証明する多くのアドバンテージがあるのです。
まずは土壌や気候からみると、南アフリカの土壌は世界で最も古く5~10億年前に遡ります(人類起源の大陸といわれてもいます)。それだけ多くのミネラルや養分が含まれていて、更に豊かな太陽の日差し、ブドウ栽培に適した地中海性気候、丁度良い降水量、そして美味しいブドウを作る為に必要な昼夜の寒暖差も十分にあります。大西洋から吹く冷たくて強い風は、ブドウ畑を冷涼に保ち、カビなどの病原菌を吹き飛ばしてくれます。その結果、防カビ用の農薬は少なくて済むのです。
また南アフリカ・ケープタウン周辺のワイン産地は、世界で最も植物が密集している地域(ケープ・フローラルキングダム)として、ユネスコの世界自然遺産に登録されています。南アフリカワイン産業界全体で、この豊かで多様性のある自然を守る為に厳しい農薬基準を設け、各ワイナリーは減農薬や自然に優しいワイン造りを実践しています。SO2(酸化防止剤)の使用基準(250ppm)は世界で最も低い国の一つです。また、そのサステイナブル(持続可能)な農業を行っている証明として、南アフリカワインには必ずサステイナブル証明シールが添付されています。

味わいは、南アフリカのワインは「旧世界(ヨーロッパ)の酸味やエレガンス、新世界(南北アメリカ大陸やオーストラリアなど)のフルーティな果実味の両方を兼ね備えている」とも言われていて、フランスワインが好きな人にとってもカリフォルニアワインが好きな人にとっても両方の人達にも好まれるという「いいとこ取りのワイン」なんです。そしてブドウ品種においては、例えばカリフォルニアやチリならカベルネ・ソーヴィニヨンが有名で、オーストラリアではシラーズが、ニュージーランドならソーヴィニヨン・ブランやピノ・ノワールなど、それぞれに得意の品種があります。しかし南アフリカは、シャルドネもシュナン・ブランもソーヴィニヨン・ブランもピノ・ノワールもシラー(シラーズ)もカベルネ・ソーヴィニヨンやボルドーブレンド、ロゼや甘口のデザートワイン、スパークリングワインに至るまで、単に揃うだけでなく、全てワールドクラスの品種の1級品が揃っているというワイン界オールスター勢揃いという様相を呈しています。
その高い品質をもって、日本の小売価格で1,500円台~3,000円台の南アフリカワインはフランスの5,000円や6,000円の品質のワインと同等クラスとも言われています。

 こうして、気候条件、自然に優しいワイン作り、味、品種の品揃え、品質と価格のコストパフォーマンスの良さなど、最初に述べたようにこれほど条件が揃っているワイン生産国は他にありません。もちろん、これらのアドバンテージに各ワイナリーの品質向上への絶え間ない努力も加わっているので、ここは「鬼に金棒なワイン」と言い切ってしまいましょう。
さて、南アフリカワインの魅力を色々と述べてきましたが、まだ南アフリカワインを飲んだことのない方はまずはトライしてみませんか? そんなトライをするのにオススメのイベントが、東京・日本橋で開催されるので紹介しましょう。

KW V本社

南アフリカワインを常にリードし、開拓してきたKWV(ケー・ダヴリュー・ヴィ)

2月2日を南アフリカワインの日に制定し貢献したのは、南アフリカ共和国を代表するワイナリーの1つ「KWV」です。「KWV」という名前は、「南アフリカ・ブドウ栽培農家協同組合」を意味するアフリカーンス語の頭文字から来ています。1918年当時国策商品だったワイン産業の安定を目的に、ケープタウンから東北約40kmのパール市を本拠に設立された南アフリカワインの今を造り上げてきたと言える老舗ワイナリーです。設立当初は、政府系企業として収穫量の調整から栽培農家への資金調達、技術指導、品種改良などビジネスは多岐に亘り、そのなかで1925年KWVの初代醸造責任者がピノ・ノワール種とサンソー(別名エルミタージュ)種を掛け合わせ南アフリカの土壌に最適な地場品種「ピノタージュ」を生み出すなど、南アフリカワインの発展に重要な役割をはたしています。
特に南アフリカワインに馴染みがない方にKWVをオススメするのはここのワインラインナップがデイリーに楽しめるエントリーレベルのカジュアルラインから最良ヴィンテージのみ限定販売するファインワインまで揃っているところです。そしてファインワインといっても価格は4,000円前後です。1,500円前後のカジュアルラインもいいけれど、南アフリカワインの素晴らしさを知るならここは3,000円前後からトライしてみてください。きっと貴方の見方も変わるはずです。ちなみにKWVのオススメは……

KWV メントーズシリーズ メントーズ カンヴァス

メントーズシリーズは設立以来南アフリカのワイン産業を牽引してきたKWVが2006年に次世代の南アフリカワインを、と立ち上げたブランド。
その中でも今回セレクトした「カンヴァス」は、ブドウの個性を絵画の布地カンヴァスに描くように非常に緻密で多面性に富んだ複雑なワインであることを表現しているワイン。ダークチェリーやプラムに桑の実やクローヴのアロマが広がり、口に含むと甘味のあるタンニンと合わさっての凝縮感のある味わいが特徴。

産地:南アフリカ/西ケープ州
品種:シラーズ58%、プティ・シラー30%、プティ・ヴェードル6%、ムールヴェードル6%
希望小売価格:4,010円(税別)

KWV カセドラル・セラー シャルドネ

高い評価を得ている。「カセドラル・セラー」とは1930年に大聖堂を模して建築された貯蔵施設を指し(エチケットにそのイラストで模されている)、以前は樽熟成に使われていた。特に選りすぐりのブドウから造られたプレミアムレンジワインのこのブランド名を付けている。このシャルドネはその中でもぜひ飲んでほしいワイン。2箇所以上の土壌や栽培条件、特長が異なる産地のブドウをブレンドする事により、香りや味わいに奥行きと深み、複雑性があり、口に含むとバニラやパイナップルに控えめなオークを感じ、クリーミーな口当たりと素晴らしいワイ。

産地:南アフリカ共和国/西ケープ州
品種:シャルドネ100%
希望小売価格:2,510円(税別)

クラシック・コレクション シュナン・ブラン 白

南アフリカ共和国では最もポピュラーなブドウ品種シュナン・ブランから造られ、透明がかった淡い麦わら色、メロンなど果実のニュアンスのある香り、口に含むと微かな酸味を果実味が包みこみ、すっきりとした飲み心地。このシリーズはほかに「ソーヴィニヨン・ブラン」「シャルドネ」「メルロー」「カベルネ・ソーヴィニヨン」「シラーズ」「ピノタージュ」もある。

産地:南アフリカ共和国/西ケープ州
品種:シュナン・ブラン100%
希望小売価格:1,250円(税別)

カフェ・カルチャー

KWVが品種改良に取り組み、誕生させた「ピノタージュ」を100%使い、そこに特殊製法によりコーヒーの香りと味わいが「スーッ」とするワイン。香料などは一切使用していない。ワインにコーヒーは取り合わせとして相性がいい。ピノタージュ由来のブラックベリーやカシスのアロマと、モカフレーバーが不思議にマッチする。ぜひ、飲んでほしい。

産地:南アフリカ共和国/西ケープ州
品種/ピノタージュ100%
希望小売価格/1,750円(税別)

2月1日 東京・ニホンバシイチノイチノイチで南アフリカワインの日イベント開催

「南アフリカワインの日」の前日である2月1日に、KWVのワインを試飲できる超オススメのイベントが開催される。KWVワイン日本の輸入元担当者が語る解説も聞けて、1チケット1,500円で4杯のKWVワインを味わえる(フィンガーフード付き)。そして、当日はKWVの最高峰ワインであるメントーズ ペロード(希望小売価格/15,000円)も1杯500円の有料試飲できます。

KWV メントーズ 赤
1996年以降ブドウの出来が「突出」して良い年にのみ造られるワイン。ワイン名は1925年ピノタージュの交配に成功した南アフリカワイン産業の父といわれるKWV初代栽培責任者アブラハム・アイザック・ペロード氏に敬意を表し名付けられた。
ヴィンテージは2019年。2019年の冬は降水量が改善され大きな期待が寄せられ、豊かな果実味と寛大さを伴う柔らかなタンニンを持ち合わせた素晴らしいワインの仕上がり。総生産本数7,000本

産地:南アフリカ共和国/西ケープ州  コースタル・リージョン
スワートランド45%、ステレンボッシュ24%、ダーリン13%、ウェリントン13%、パール5%
品種:ピノタージュ39%、カベルネ・ソーヴィニヨン24%、シラーズ24%、プティ・シラー13%

熟成:新樽のフレンチオークで18ヶ月

【南アフリカワインの日】KWV試飲会@東京日本橋 概要

日程:2024年2/月1日木曜日
時間:1部 17:00~18:45 / 2部 19:00~20:45
チケット販売数:50名 (2部制で各25名)
会場 :ニホンバシ イチノイチノイチ(東京都中央区日本橋1-1-1 国分ビルディング1F)

当日ワインリストもスパークリングワインからテーブルワイン、プレミアムレンジ、まで日本国内で楽しめるほぼすべてのセレクション、特別有料試飲を含め12種が用意されているのでお楽しみに。

イベント当日のワインリストはココをタップ

KWV試飲会@東京日本橋の詳細&申し込みはこちら

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山田_yamada 靖_yasushi

Why not?マガジン編集長。長くオールドメディアで編集を担当して得たものをデジタルメディアで形造りたい。座右の銘は「立って半畳、寝て一畳」。猫馬鹿。年一でインドネシア・バリのバカンスはもはやルーティン。

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