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WINE

バレンタインに大人の愉しみを提案 ワイン「ブレッド&バター」リザーヴ・コレクションとともに優雅なスイーツタイムを

取材・文/山本ジョー 写真/山本育子 チョコレートセレクト/河井あゆみ

ワイン「ブレッド&バター」と合う料理のレシピはコチラを参考に。

辛口ワインとチョコ、チョイス次第で相性抜群!?

スイーツ好きにとって至極のシーズン、2月。
世界中の名だたるチョコが日本めがけて大集合したところで、ノンベエたる我々的に悩ましいのは、チョコに合わせる飲み物だ。
ワインの場合、ド定番のルール「甘いものには甘口ワインを合わせる」に従うのは簡単で、甘味を甘味で相殺させるのは理にかなっている。
しかーし、「ダブルで甘いってのは正直しんどい……」とためらう人も少なくない。
なら、いつも食事時に飲んでいるような辛口ワインを、スイーツに合わせるのは無謀すぎるのだろうか?
ペアリングのスペシャリストである料理家、河井あゆみさんに恐る恐る尋ねてみたところ、「ワイン次第で、大丈夫です!」と力強い返事。
そうして彼女が手にしたのは、カリフォルニアワインの「ブレッド&バター」であった。

BREAD & BUTTERって?

2013年にカリフォルニアで設立。樽や発酵に由来するパンやバターに似た芳醇な香りがワインの魅力であるほか、「パンとバターのように、ワインは日常生活に寄り添うもの」との想いが込められたネーミングだ。2020年からは、ワイン専門誌で「ナパ・ヴァレー・ワインメーカー・オブ・ザ・イヤー」に選ばれたこともあるカリフォルニア出身のリンダ・トロッタ氏が腕を振っており、万人に親しまれるカリフォルニアの気風、そしてテロワールを反映した味わいを提供している。
知っておきたい2シリーズ
ブレッド&バターが日本で展開しているシリーズは2つ。お手頃価格ながら飲み応え抜群の「トリート・コレクション」(シャルドネ、ピノ・ノワール、ロゼほか計6種)と、さらに深みを増した「リザーヴ・コレクション」(シャルドネ、ピノ・ノワール、カベルネ・ソーヴィニヨン)。濃厚な大人のスイーツを相手にするなら、複雑味のあるリザーヴ・コレクションがオススメだ。
ブレッド&バター輸入元 三国ワインのサイトはこちら
https://www.mikuniwine.co.jp/?mode=grp&gid=2910142

醸造責任者 リンダ・トロッタ氏


今回「ブレッド&バター」にピッタリなチョコレートをセレクトしてくれたのは、
本サイトの「ワインに合う簡単レシピ」でも登場いただいている料理家、河井あゆみさん。

果実味を上品に昇華させる「ブレッド&バター」にオマカセ

スイーツと辛口ワインのペアリング攻略は、こうだ。
まず、スイーツとワインに共通する香りやテイストを探し出し、リンクさせる。
ワインの形容ワードにバター、クリーム、カカオ、チョコなどが出てくるタイプは、スイーツと合う可能性大。
「それなら、いろんな辛口ワインが合うんじゃない?」と油断させておいての、次なる関門がパワーバランスである。
こちらがやっかいで、単に味わいの濃さだけでジャッジはできない。
スイーツとワイン両方の甘味を相手に、苦みや酸味といった他の要素で均衡を保つ底力が必要なのだ。
温暖な地で育まれた豊かな果実味が突出することなく、味わいが一体化ワインが候補に挙がる。
「だからこそ、パワーとバランスを兼ね備えたカリフォルニアワイン、ブレッド&バターなのです。とくに様々な味わいが凝縮し、深みを湛えたリザーヴ・コレクションですと、ペアリングもうまくいきますよ」(河井)
温暖な地で育まれた豊かな果実味も突出することなく、すべての味わいが溶け込み一体化しているワインなら、スイーツとのペアリングもスムーズに。
スイーツもワインも好きな「甘党かつ辛党」の皆さん、以下に列挙したドンピシャのペアリングで、バレンタイン・シーズンはハートをホットに乗り切ろう♪

<Select1>
レッド&バター リザーヴ シャルドネ×ピスタチオ・クリーム

BABBI(バビ)クレマピスタチオ(スプレッドクリーム)1296円(税込)
外部サイト https://babbi.co.jp/i/71815108


ブレッド&バター リザーヴ シャルドネ


太平洋の寒流に影響を受けた冷涼な気候のおかげで、果実味と酸が豊富な白ワインに。熟成時はフレンチオーク新樽35%使用。
産地/カリフォルニア州ソノマ・コースト
品種/シャルドネ100%
参考小売価格/5,000円

ペアリングのポイント
「ピスタチオは、ナッツのなかでも青いニュアンスが特徴的。合わせるワインのシャルドネもまた、やや青みがかっている色調から連想できる通り、味わいにも果実のピュアな青さが残っています。もちろん、ピスタチオならではのナッティーなところは、樽からくるバターっぽさに繋がりますよね。
純度の高いピスタチオ・クリームですと、タルトやケーキに混ぜ込んでいただきたくなりますし、正直お値段が高い。でも、BABBIのクリームは入手しやすいお値段で、味わいも1品のなかで軽やかながら完結しています。なので、クラッカーにつけていただくくらいが、ちょうどワインとバランスがとれますよ。
なお、BABBIのクリームはヘーゼルナッツやくるみのバージョンもあり、そちらはタンニンとリンクする赤ワインにどうぞ」(河井)

<Select 2>
ブレッド&バター リザーヴ ピノ・ノワール×香り高くビターな板チョコ

テオブロマ Bean To Bar ベトナム ベンチェ70% 1300円(税込)※現在入荷待ち
外部サイト https://www.theobroma.co.jp/

ブレッド&バター リザーヴ ピノ・ノワール

チェリー、ルバーブ、スパイスや森の香りにあふれ、口当たりはシルキー。フレンチオーク新樽50%で9~10カ月熟成。
産地/カリフォルニア州ロシアン・リヴァー・ヴァレー
品種/ピノ・ノワール100%
参考小売価格/7,500円


ペアリングのポイント
「料理家としての仕事柄、お菓子に変身させることが多い板チョコ。しかし、こちらの板チョコは、そのままの状態でワインと一緒にいただきたいタイプです。
ベトナム料理は、生胡椒などのスパイスを使うんですよ。そんなお国柄によるものか、このベトナムのカカオを使ったチョコは、スモーキーでビターなクセを強く感じる個性派なのです。チョコを単体で食べると酸味も感じますが、静かな酸を持つピノ・ノワールと合わせてみると、チョコの甘味が引き出されてよりおいしくなります。
ピノ・ノワール自体にもスパイスの風味があるからマッチしやすいですし、ボディがしっかりしているから、チョコの後味が口中で長く続いても負けることはありません。
甘いものがさほど得意でない大人の方には、ぜひ一度召し上がっていただきたいペアリングです!」(河井)

<Select 3>
ブレッド&バター リザーヴ カベルネ・ソーヴィニヨン×とろけるチョコケーキ

OGGI ショコラ デ ショコラ 2268円(税込)
外部サイト https://www.cucina-oggi.com/item/50702071/

ブレッド&バター リザーヴ カベルネ・ソーヴィニヨン

モカやブラックベリーが香り、リッチで柔らかい味わい。フレンチオーク(新樽40%)14~16カ月との長期熟成により余韻も長い。
産地/カリフォルニア州ナパ・ヴァレー
品種/カベルネ・ソーヴィニヨン97% プティ・シラー3%
参考小売価格/7,980円


ペアリングのポイント
「ショコラ・デ・ショコラは、一世を風靡したロングセラーのチョコケーキ。コーヒーに合わせるとしても、エスプレッソなど強い味でないとアッサリ負けるほどのパワーがあるスイーツです。バニラやリコリスのようなスパイスが香り、舌触りがネットリしていて、口のなかがショコラで一杯になります。
リザーヴ・シリーズのカベルネ・ソーヴィニヨンは、とくにドッシリとしたフルボディですから、これくらいインパクトの強いスイーツがいいんです。そもそも、このチョコケーキ自体、昔から赤ワインに合うチョコだと感じていました。これからは、『強いチョコには重い赤ワイン』のメソッドに沿っていろいろ試してみると、世界が広がりますよ」(河井)

冷蔵庫から出したてより、しばらく温かい部屋に置いてナイフがスッと入るくらいがケーキの食べごろ。ワインと合わせ、時間をかけてゆっくり楽しんで。

高級なスイーツを少しずつ味わう時間と、上質な辛口ワインをゆったり味わう時間。
近いようで遠かった2つの時間の過ごし方が、今企画でひとつに融合!
もちろん、ブレッド&バターは食事との相性も文句ナシだ。

ワインと合う料理のレシピはコチラもチェックしてほしい。

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山本ジョー

ライター。2000年よりワインや食にまつわるテキスト制作を請け負ってきたが、ときおりタレント本や鉄道本にも携わる。 畑で細々と野菜を作り、猟師から獲物を分けてもらうカントリーライフを堪能中。 好きなものは旅、犬、カジュアル着物。 小型船舶免許1級を取得して以来、船の操縦経験ゼロ歴を更新し続ける「なんちゃって船長」でもある。

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